運動神経が飛躍的に発達する3~12歳頃までは、「ゴールデンエイジ」と呼ばれています。
運動神経のよい子どもにしたいなら、幼児期から日常的にスポーツをすることがおすすめです。
逆にゴールデンエイジを過ぎてから運動神経をよくしようと思っても、なかなか難しく、特に3~8歳頃は身体をコントロールするための神経系がもっとも発達するため、生涯の運動能力の基礎を養う時期といえるでしょう。
スポーツをすることでさまざまな動きを体験し、平衡感覚や瞬発力など、子どもの身体能力を向上させる効果が期待できます。
幼児期はバランスよく成長するためにも、特定のスポーツだけをするのではなく、いくつかのスポーツに触れたり、思い切り身体を動かして遊んだりすることが大切です。
スポーツで身体を動かすことにより、骨や筋肉が刺激され丈夫な身体へと成長します。
また、継続的な運動は心肺機能を高める効果があります。
心臓や呼吸器機能が高まれば基礎的な体力がつき、病気になりにくい健康な身体になるでしょう。
昔から「健康な身体には健康な心が宿る」といわれています。
疲れやすかったり、すぐに転んでけがをしたり、基礎体力や基本的な運動神経が未発達では、どうしても不健康になりがちです。
また、基礎体力がつくと回復力が向上するので、たくさん運動して疲れてもしっかり食べて一晩寝れば、翌日にはすっかり体力を取り戻すことができるでしょう。
生涯にわたる健康を目指すなら、幼児期からスポーツをすることが重要といえます。
スポーツは、健康な身体をつくるだけではありません。
運動することにより、神経系に作用して脳が活性化することが期待できるのです。
スポーツで身体を動かすことにより、思考をつかさどる「前頭前野」という脳領域を刺激することができます。
最近では幼少期から英才教育をする保護者も増加していますが、「勉強」ばかりするのではなく「運動」をすることも賢い子どもに育てるには必要不可欠だといえるでしょう。
スポーツは瞬時に状況を判断して次の行動に移したり、どんなタイミングでどんなふうに身体を動かしたら効果的なのか考えたりしますね。
子どもの脳は、スポーツを通してさまざまな刺激を受け、集中力や思考力、困難な状況下や苦労や挫折等から頑張れる力も身に付けることができるでしょう。
スポーツをすることの大きなメリットは「心の発達にもよい影響がある」ということです。
課題を一つひとつクリアしていくことによって「努力すればできるようになるんだ」という達成感や充実感が得られます。
もちろんスポーツする中で、失敗など挫折を味わうこともあるでしょう。しかし、それでもあきらめずに続けることで、いずれできるようになるという体験をすることが重要です。スポーツを通してあきらめない気持ち、失敗を恐れない強さが身につくでしょう。
「やればできる」という自信は子どもに「自己肯定感」を芽生えさせ、ポジティブな思考を期待することができます。ご両親も子どもが努力して達成したときには、たっぷりと褒めて自己肯定感を高める声がけをするとよいでしょう。
スポーツしていると、「スポーツマンシップ」という言葉をよく耳にしますよね。
スポーツをするうえで持つべき心構えのことをいい、「正々堂々とフェアプレーをする」という精神です。それはつまり、ルールを守ることや仲間や相手に礼を尽くすことなどを意味します。
とくに、武道などの習い事では礼儀作法をしっかりと指導してくれるスクールも多いと思います。
元気にあいさつをする、道具は大切にする、時間は守るなど、幼児期からマナーの大切さを学ぶことは大人になってからもきっと役に立つでしょう。
どんなスポーツでも必ずルールは存在します。ルールや礼儀について家庭で教えるのはなかなか大変です。スポーツを通して身につけることが出来ます。
スポーツの楽しみの一つとして、仲間との関わりやチームプレイの楽しさが挙げられると思います。
幼児期の子どもでも、4~5歳くらいになれば周りとコミュニケーションをとりながら協力することができるでしょう。
野球やサッカー、ダンスやバレエなどは、周りと歩調を合わせることが求められ、自然と協調性が養われます。もちろん個人でプレイするスポーツも多いですが、それでも周りのお友達と切磋琢磨する楽しさはあります。
便利な世の中になってきていますが、だからこそ協調性や社会性を身につけた人こそが魅力的に感じられるのではないでしょうか。
スポーツを通した仲間との関わりの中で、思いやりや責任感などの豊かな心が育まれていきます。